自衛隊はとても大きな組織です。自衛隊について理解を深めるために、まずは歴史や組織についてまとめます。
歴史
自衛隊の歴史および主なトピックを年表にまとめます。主なトピックは自衛隊初の事柄などを中心に筆者の独断と偏見により選んであります。内容に偏りがあるとは思いますがご容赦いただけると幸いです。
1950年(昭和25年)
GHQの要求により警察予備隊が発足
1952年(昭和27年)
- 4月 海上保安庁に海上警備隊が発足
- 10月 警察予備隊と海上警備隊を合体し保安隊創隊
1953年(昭和28年)
保安大学校(後の防衛大学校)開校
1954年(昭和29年)
防衛庁が発足し、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊が創隊
1956年 (昭和31年)
- 国産護衛艦1番艦「はるかぜ」竣工
- F-86F 戦闘機国内生産初号機領収
1960年(昭和35年)
日米安全保障条約に署名
1961年(昭和36年)
朝霞駐屯地に自衛隊体育学校を創設
1962年(昭和37年)
- 防衛施設庁発足
- 61式戦車、初納入
1965年 (昭和40年)
砕氷艦「ふじ」、初めて南極観測協力に出港
1968年 (昭和43年)
米原子力空母(エンタープライズ号)初めて日本に寄港(佐世保)
1969年 (昭和44年)
F4E国産化決定(初号機納入は1972年)
1972年 (昭和47年)
沖縄返還に伴い、自衛隊が沖縄に配備
1974年 (昭和49年)
防衛医科大学校開校
1976年 (昭和51年)
ミグ25函館空港に強行着陸(ベレンコ中尉亡命事件)
1991年 (平成3年)
- UH-60J、SH-60J初納入
- ペルシャ湾に海上自衛隊の掃海部隊派遣
1992年(平成4年)
- PKO協力法成立によりカンボジア派遣
- 防衛大学校に初の女子学生入校
1993年(平成5年)
イージス艦「こんごう」就役
1994年(平成6年)
海自・空自に初の女子航空学生入隊
1995年(平成7年)
地下鉄サリン事件に伴う災害派遣
2004年(平成16年)
イラク特措法に基づきイラク復興支援
2007年(平成19年)
- 防衛庁から防衛省に昇格
- 入間基地にペトリオット(PAC-3)配備
- ハワイ沖でイージス艦によるSM-3発射試験
組織
自衛隊は日本の国防を所管する防衛省が管理・運営する組織です。防衛省には職員約2万人と自衛官約25万人が所属しており、防衛大臣が自衛隊の最高指揮監督者である総理大臣に代わって自衛隊の隊務全般を統括しています。
自衛隊に関する主な組織は以下のようになります。(防衛省HPより抜粋) 色がついている部分が主に自衛官が属している機関や部隊です。
防衛装備庁:https://www.mod.go.jp/atla/
防衛装備品の適切な開発、生産、維持整備を行う防衛省の外局です。
高品質の装備品の一層効率的な取得や、コスト管理の徹底を図るために、装備品の構想段階から研究開発、取得、維持・整備といったライフサイクルを通じた、一元的かつ一貫した管理を行います。(HPより引用)
地方防衛局:https://www.mod.go.jp/rdb/
地方防衛局は自衛隊及び在日米軍が使用する防衛施設の整備・管理、安定的 な使用の確保、防衛施設周辺住民の生活福祉向上、地域住民と在日米軍との交 流行事の実施等、幅広い業務を行い、国民と自衛隊及び在日米軍との架け橋となっています。
北海道・東北・北関東・南関東・東海・近畿中部・中国四国・九州・沖縄の8箇所に所在しています。(HPより引用)
防衛研究所:http://www.nids.mod.go.jp/
防衛研究所は、防衛省の政策研究の中核として、主に安全保障及び戦史に関し政策指向の調査研究を行うとともに、自衛隊の高級幹部等の育成のための国防大学レベルの教育機関としての機能を果たしています。また、戦史史料の管理、公開等を行っており、我が国最大の戦史研究センターとしての役割も担っています。(HPより引用)
防衛大学校:https://www.mod.go.jp/nda/
防衛大学校は、将来陸上・海上・航空各自衛隊の幹部自衛官となるべき者の教育訓練をつかさどるとともにそれらに必要な研究を行う防衛省の施設等機関です。(HPより引用)
防衛医科大学校:http://www.ndmc.ac.jp/
防衛医科大学校は、1973年に「医官(医師である幹部自衛官)となるべき者を育成するとともに、卒業した医官に対して、自衛隊の任務遂行に必要な医学に関する高度な知識・研究能力を修得させるための教育・訓練を行うこと」を目的として、防衛省(当時の防衛庁)に開設された機関です。(HPより引用)
統合幕僚監部:https://www.mod.go.jp/js/
統合幕僚監部は、防衛出動や治安出動、災害派遣、国際平和協力活動をはじめとする陸・海・空3自衛隊の部隊行動等に際し、統一的な計画を立案し、その運用をつかさどる組織として設置され、軍事専門的観点から防衛大臣を一元的に補佐しています。
弾道ミサイルへの対処やわが国周辺海空域における警戒監視をはじめ、国際平和協力活動や国内外で突発的に生起する自然災害等への対応など、さまざまな活動に全力で取り組んでいます。また、新たな領域であるサイバー空間における脅威への対応にも力を入れています。(HPより引用)
すべての自衛官の最高位がこの統合幕僚監部の統合幕僚長です。制服組のトップというわけです。ちなみに映画「シンゴジラ」で國村隼が演じたのが統合幕僚長です。
陸上・海上・航空幕僚監部
各自衛隊の最高位が陸上・海上・航空幕僚長です。上記統合幕僚監部とともに、防衛大臣に対し軍事専門的補佐を行います。(HPより引用)
情報本部:https://www.mod.go.jp/dih/
情報本部は、我が国の情報機能の重要性と冷戦後の国際情勢の変化を踏まえ、平成9年に創設された防衛省の中央情報機関であり、我が国最大の情報機関です。(HPより引用)
防衛監査本部:https://www.mod.go.jp/igo/
防衛監察本部は、防衛監察を通じて各部隊・機関の問題点を発見し改善策を助言するとともに、不正や非違行為につながる行為を未然に防止することにより、国民から信頼される防衛省・自衛隊を目指しています。(HPより引用)
防衛会議
防衛大臣の求めに応じて、防衛省の所掌事務に関する基本的方針について審議する。
議長は防衛大臣が務め、以下の委員によって構成される。
- 防衛大臣政務官
- 防衛大臣補佐官
- 防衛事務次官
- 防衛省大臣官房長
- 防衛省局長
- 統合幕僚長
- 陸上幕僚長
- 海上幕僚長
- 航空幕僚長
- 情報本部長
自衛隊体育学校:https://www.mod.go.jp/gsdf/phy_s/
陸海空自衛隊の共同機関として陸上自衛隊朝霞駐屯地に、「部隊等における体育指導者の育成」、「オリンピック等国際級選手の育成」、「体育に関する調査研究」を目的として創設されました。
自衛隊中央病院:https://www.mod.go.jp/gsdf/chosp/
陸上自衛隊三宿駐屯地にある三自衛隊の共同機関としての病院です。指揮監督は、防衛大臣が陸上幕僚長を通じて行う体制になっています。平成5年からは一般の方の診療も行っています。
自衛隊地区病院
自衛隊中央病院は3自衛隊の共同機関としての病院ですが、地区病院は陸海空それぞれの幕僚長が指揮監督をする病院です。
札幌・横須賀・富士・阪神・福岡病院および防衛医科大学校病院は一般人の診療も行っています。
陸
- 自衛隊札幌病院:真駒内駐屯地
- 自衛隊仙台病院:仙台駐屯地
- 自衛隊富士病院:富士駐屯地
- 自衛隊阪神病院:川西駐屯地
- 自衛隊福岡病院:春日駐屯地
- 自衛隊熊本病院:熊本駐屯地
- 自衛隊別府病院(2021年度廃止予定):南別府駐屯地
海
- 自衛隊大湊病院(2021年度廃止・診療所化予定):大湊基地
- 自衛隊横須賀病院:横須賀基地
- 自衛隊舞鶴病院(2021年度廃止・診療所化予定):舞鶴基地
- 自衛隊呉病院:呉基地
- 自衛隊佐世保病院(2021年度廃止・診療所化予定):佐世保基地
空
- 自衛隊三沢病院(2021年度廃止・診療所化予定):三沢基地
- 自衛隊入間病院(仮称)(2021年度開設予定):入間基地
- 自衛隊岐阜病院(2021年度廃止・診療所化予定):岐阜基地
- 自衛隊那覇病院(2021年度に陸上自衛隊へ移管予定):那覇基地
自衛隊地方協力本部
自衛隊地方協力本部は自衛隊の受験、見学、質問、相談等の窓口です。各都道府県に設置されており、陸上・海上・航空自衛隊の共同機関です。
静岡地方協力本部(ちほん):https://www.mod.go.jp/pco/sizuoka/index.html
静岡地方協力本部は静岡県全域において、自衛官等の募集、自衛官の再就職援護、予備自衛官等の管理など住民の皆様と防衛省・自衛隊を繋ぐ窓口として活動しています。