【富士駐屯地モニター】2 普通科・特科・機甲科施設見学

駐屯地/基地および部隊

前回、富士駐屯地の各施設については報告しましたが、今回は少し踏み込んで富士学校の教育施設を見学してきました。

 富士駐屯地は138号バイパスの須走口南ICを降りて数百mいくと左手にあります。その手前に自衛隊富士病院があり、新型コロナの発熱外来をしていました。ウチの子は衛生科なので、ここならなんとか通勤できるかもなんて考えましたが・・・ちょっと遠すぎです。

駐屯地モニターの入門証で中に入り、広報官と合流して資料館に移動しました。そこで本日の見学内容を教えていただき、見学時にかぶる「テッパチ」を渡されました。最近自衛隊のドラマのタイトルにもなった、陸自の隊員がよくかぶっているヘルメットです。正式には88式鉄帽というそうですが、素材は鉄ではなくFRP製です。ですが、肉厚で見た目以上に重いヘルメットです。ドラマのものは改良型で耳の前後2箇所からあご紐につながるタイプでしたが、貸与されたのは旧式で耳の横1箇所からあご紐につながるタイプでした。新型は脱着がしやすくしっかり固定できるのですが、旧式は小銃を撃つときにずらしやすい、またあご紐がループになっているので持ちやすいなど、どちらも良い点/悪い点があるそうです。

機甲科・特科・普通科の順に見学してきましたので以下にまとめます。

機甲科

最初に機甲科の教育施設に移動しました。座学で構造や特徴を学んだあと、実機で確認や整備をするところです。61式、74式、90式戦車と16式機動戦闘車と87式偵察警戒車(だったはず)が置いてありました。残念ながら10式戦車はありませんでした。

61式は背が高くちょっと漫画チックでガルパンの雰囲気があり、なかなか可愛いらしい車体ですが、古すぎるので見学はパスしました。

74式の上に乗っての運転席に座らせてもらいました。運転席はなかなか狭く、私の身長ではヘルメットを被って運転席に座ったらハッチを閉められないほどです。クッションはそれなりにあるシートでかなりリクライニングしている乗車姿勢になるのですが、この姿勢で荒れた路面を時速数十キロで走ることを想像すると、私なら数分で腰痛がでてリタイヤすることになるでしょう。日々訓練をしないと乗っていることもできない乗り物です。また中では小さな窓から外を見るのですが、この窓のデザインと覗いたときの見え方がかっこいい~。

74式はセミオートマチック・トランスミッションなので、発進用のクラッチペダルがあります。ペダルの並びは自動車と同様です。またハンドルはオートバイのようなバーハンドルです。その他様々なレバーや計器類があり、見てるだけでテンション上がりまくりです。いつかエンジンがかかっている状態で運転席に座りたいものです。できれば走行したいですが・・・

その後車長席、砲手、装填手の居場所を見学させてもらいました。車体内部は一切撮影不可でしたので掲載はできないのですが、最高の経験をさせていただきました。

ちなみに74式は来年度には退役してしまうようです。そうなったらもっと見学がオープンになり、内部も公開になるのではないでしょうか。朝霞のりっくんらんどにおいてほしいなあ。

その後90式と16式も同様に見学させていただきました。さすがに16式は自動車でいうところの現行車なので中身は最新です。

自分が特殊なのかもしれませんが、ここの施設なら一日いてずっと見学できます。このレバーは?このメーターは?と質問しつづけるでしょう。そうしたら一日では終わらないでしょう。

次の見学の予定があるとのことで、名残惜しかったのですが次の施設に移動します。

特科

特科の対艦ミサイルのシステムの説明をしていただきました。レーダーを積んだ車両、中継するアンテナ、指揮する車両、ミサイルを積んだ車両などで構成され、沿岸部に配置して敵艦を迎え撃つシステムです。

それぞれの車両を説明していただいたあと、レーダー車(古いパジェロ)のなつかしい内装を見たり、指揮車に乗ったり、ミサイルが発射される裏側を見せていただいたりしました。発射するところを見せてほしいと依頼してみましたが、案の定無理でした。案内係の広報の方も見たことがないそうです。そういえば総火演でもこの車両からミサイルが発射されるのは映像でした。若い隊員が車両の横に立っているのですが、見学している自分のためにこんなところに立たせてすみません。

普通科

普通科の施設ということで射撃に関する施設を見学させていただきました。富士駐屯地の射場は稼働率が高く、いろんな部隊が訓練に来て使用しているとのことです。複数の射程があるのですが、一番遠いところからみる標的は「あるな」程度の大きさです。訓練は数値化され成績として残るそうです。合否もあり、給与にも影響するとのこと。戦場において銃の命中率の高さというのは、兵士としての能力そのもので更に命に直結することなので当たり前といえば当たり前ですね。

銃というのはセンスなんだそうです。基本となるフォームがあり、教官はセオリー通りに教えるそうです。しかし、中にはよくそんな撃ち方で的にあたるなあという隊員もいるとのこと。射撃は結果がすべてなので「当たればいい」のですが、センスがなかったらと思うと厳しい世界です。こういうところは一般会社員からみると異質です。

見学後、広報の方にご一緒していただいて山賊カレーを食べてきました。402円だったんですが、満腹です。50代の私にはヘビーでした。

食事しながら気が付いたんですが、若い隊員の多くは坊主ではなくさわやかな髪型をしてました。ここ10年くらいで現在のようになっていったそうです。年配の隊員はいまだに超ショートの方が多いように感じますが、2ブロックの今どきの感じの隊員がいたりしてこれはとてもいいことだと思いました。

今回の見学では隊員の普段の訓練内容を見ることができました。体を鍛え、技術を磨くことが必須となる自衛隊員は本当にすごいと思います。一般のサラリーマンにはない厳しさを理解することができ、自衛隊員の尊さを感じる見学となりました。