【富士駐屯地モニター】1-2施設・装備見学

駐屯地/基地および部隊

委嘱式のあと、施設や装備の見学をしました。委嘱式の記事はこちら

・図書室

はじめに図書室を見学しました。ほとんどが軍事関係の書籍という図書室です。現在も一般購入できるものもあるでしょうが、既に絶版のものや市販されていたのかさえわからないような書籍もたくさんあります。鍵のかかる本棚には築城や日露戦争史など歴史的に貴重と思われる資料も多数あります。

ここにいる自衛隊員は閲覧することができるそうです。軍事マニア垂涎の図書室だと思います。

・19式装輪自走155mmりゅう弾砲

陸上自衛隊の最新車両です(装備としては20式5.56mm小銃が最新ですが・・・)。

今年の3月に東富士演習場で実弾射撃訓練が初めて行われたとのことです。昨年の富士駐屯地モニターの方達は見学したのだとか・・・。

りゅう弾砲というのは弾道(弾の軌跡)が山なりの射程距離が長い砲のことです。戦車に搭載されている砲は比較的にまっすぐの弾道で初速が速く、対戦車用に使用する砲なので大きく異なります。

他に自走式のりゅう弾砲としては、履帯(キャタピラ)式の99式自走式りゅう弾砲があります。牽引して移動し(エンジンと変速機がついていて短距離は自走できる)、据え付けて使用する155mmりゅう弾砲(FH70)というのもあります。

・自衛官候補生の訓練

4月に入隊した自衛官候補生の訓練を見学しました。富士駐屯地は主に神奈川県出身者の一部の基礎教育を担っているとのことです。ちなみに静岡県出身者は板妻駐屯地が多いようです。

中学校の理科室のような部屋に通されると、各候補生の机の上で小銃がバラバラに分解されています。教官の指示のもとてきぱきと組み立てて(結合という)いきます。高校を卒業して1カ月足らずの子がやっていると思うと違う世界だと感じます。ですが、機械好きの私はこの訓練に参加して自分もやりたいと思いました。こういうタイムレースは好きなので、結合の勝負をしたいものです。

なお、この教室での撮影は禁止されたので写真はありません。

・情報科装備見学

つづいてスキャンイーグル2という無人偵察機の見学です。とっても高い装備だと安易に想像できますが、遠隔操作で運用するメリットは大きいのでしょう。世界中でいろんな軍事用ドローンが開発されているのだと思います(もともとドローンは軍事用として開発されているもので、古くは第二次大戦時から研究されていたとの説もあります)。

スキャンイーグル2はカタパルト付きの車両から発射され、機体後部にあるエンジンで回るプロペラで飛行します。着陸はせず、空中に張ったロープに翼の端についたフックをひっかけて回収します。

無人偵察機というとなんだか恐ろしいことにつながる装備のような印象を持つ方も多いと思います。ですが、大規模災害(火山の噴火や原子力発電所の電源喪失)などの調査にも有効な装備です。道具って使い方次第なので、自衛隊が有効に運用してくれることを願います。

・和楽館

1階にプール、トレーニングジム、男女浴室、ラウンジ、2階には複数の体育室、和室、ホールがあります。通常の駐屯地にはあまりない充実した施設だそうです。隊員の家族をフォローするための備品が置かれていました。

・厚生センター

コンビニ、理髪店、クリーニング店、自衛隊グッズの店、食堂などがある建物です。コンビニは以前ローソンだったようですが、今はファミリーマートです。通常のコンビニと比べて品数が多く2倍くらいあるように感じます。お土産がやたらと多く、また迷彩の作業用手袋、バッグ、Tシャツなど隊員が日常的に使うグッズも豊富にラインアップしています。

・隊員浴場

曹・士と幹部と書かれた2つの入り口があります。それぞれの脱衣室、浴槽、洗い場を確認しましたが違いはありません(曹・士用のほうが浴槽は大きく、洗い場の数も多い)。

それぞれの浴室は通路でつながっており、その通路には双方が使用できる泡風呂があります。幹部用のお風呂に何か違いはないか聞いたのですが、なにもないそうです。せめてストレスの多い幹部用には入浴剤でも入れてあげればいいのにと思いました。「全く同じ」にするほうが無難だけど・・・

・隊員クラブ

全国の駐屯地にある「はなの舞」です。コロナ禍で一人飲みという制限があるそうです。なんとも寂しいですが、駐屯地内のクラスターを防止するためには仕方ないのでしょう。

・営内居室

案内されたのは幹部学校入校者用と思われる建物です。3人部屋ですが思ったより広く、個人の机もあり収納も充実しているように感じます。30年以上前、私が入れられた専門学校の寮(二人部屋)よりはよっぽど快適だと断言できます(あれはひどい経験だった)。洗濯機の数も多くシャワー室もあり、おまけに乾燥室まであります。自分の経験からみるとここは快適な居室です。

ちなみに前述した教育中の新入隊員の居室は2段ベッドありの大人数部屋になるそうです。でも全国的に統一されているわけではなく、建てた時期により、より少人数の居室に変わっていっているようです。これも時代の変化に対応しているということなのでしょう。各駐屯地の居室は古いものが多く、本来なら建て替える時期に来ているけど予算がつかないから仕方なく使っていると聞いたことがあります。これも防衛費のうちだと思うので、こういう視点からも防衛費はアップしてほしいと思います。

・駐屯地医務室

富士駐屯地のすぐ隣に自衛隊富士病院があり、隊員が病気になったときなどはそちらへかかるそうです。ここの医務室はコロナワクチンの接種をしたり、健康診断に使ったりしているそうです。この建物は今回見学した中でも特筆して古く、もしかしたら戦前の建物かもしれないという古さです。近くに病院があるから優先順位は低いのかもしれませんが、ここで働く衛生課の隊員は気持ちよくないと思います(私の子供は衛生課なので主観的に見てしまいます)。先日、静浜基地の健康診断を行う施設を見たのですが、とてもきれいで清潔そうでした。こういうのって大事だと思うんですが・・・。

施設見学後、広報官の事務所へ移動し、入門証用の写真を撮り手土産(自衛隊カレンダーなどのグッズ)をいただいて解散となりました。