【ご紹介】安否確認システム「あんぴくん」について

コラム

災害が発生すると、自衛隊は災害復興支援のためさまざまな支援をしてくれます。最近では2022年台風15号災害や2021年熱海市伊豆山土石流災害が記憶に新しい災害です。東日本大震災や御嶽山噴火後の被災者捜索などの映像をみると、隊員への感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。

そんな過酷な業務を行う自衛隊ですが、自宅や家族が被災する場合もあります。家族の安否もわからない状況で災害支援をするのは精神的にもとても辛いものとなります。

この状況を改善するためにあるのが、今回紹介する安否確認システムです。このシステムが運用できれば、部隊は隊員の家族の安否がわかっている状態で災害支援活動を行うことができます。これは想像ですが、家族の安否が不明な隊員については、部隊が災害支援の担当を変えるとか情報収集に努めてくれるなどの配慮をしてくれるのでしょう。

このシステムの登録~運用は以下のようになっています。

システム登録

1.「隊員」が、QRコードなどからアプリをダウンロードして、自分を登録する。

2.「隊員」が、自分の家族を登録する。

 従って、隊員がこの登録をしない限り、家族は安否くんのシステムの対象となりません。

災害発生時

1.「あんぴくんシステム」が、隊員と家族に安否を確認するメールを送信する。

2.「隊員」および「家族」は、自分の安否を報告(返信)する。

ここでお互いの安否がわかります。

3.「隊員」が、家族の状況を部隊に報告する。

隊員が部隊に対して報告をしないと、部隊は隊員家族の状況を把握することができません。

4.掲示板を利用して、隊員と家族は状況の変化などを伝える。

こんなことは、電話したりSNSで伝えられると思うでしょう。しかし、東日本大震災のときは携帯電話が全く役に立たなかったように、有事の際電話はきっとつながらなくなると思います。インターネット環境もどうなるかわかりません。携帯電話やWi-Fiがつながるのが前提ですが、SNSは使用しているサーバーの状況によって何が使えるか予測がつきません。LINEやInstagramはだめだけど、X(旧ツイッター)はOKというようなこともあり得ます。この時Xを使用していない方は自分の安否を伝える手段がなくなってしまうということになります。

このあんぴくんはSECOMのシステムを使っているということで、サーバーはかなり強化されていると想像できます。有事の際には「いろんな情報伝達手段を用意する」ことが重要だと思うので、これもその一つと考え、準備しておくことが必要ではないでしょうか。

ただし、普段から受信メールを確認しておくことが必要になります。安否確認メールが来たけど、そのメールに気づかず返信しなかった場合、自分は被災なく安全なところにいるのに安否不明と判断されてしまうことにもなりかねません。

お子さんが帰省した際にはぜひこのシステムについてお話をしていただければ幸いです。

あんぴくんの概要についてはこちら